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る人たちにとって常に呼吸が確保できている状態からスタートできる背泳ぎは、最も習得しやすい種目の一つとなる。
(2)進むという点から
呼吸のほうは何とか確保できたが進むということについては困難が伴うという場合も多く考えられる。一人で浮けるか、介助してもらって浮くか。介助してもらって浮く段階では一人で進むということはない。
一人で浮ける場合の進み方のパターンとして、上肢だけ使う場合――腕・手のかきだけで進む。
・水面上に上肢を出して、右手・左手と順に回して進む。
・両手同時に水面上に出してかいて進む。
・水面上に上肢が出しにくい場合、スカーリング(水中での手のかき)で進む。
下肢だけ使う場合――いわゆるバタ足(キック)のみで進む。
・障害の状態によって、片方の足だけのキックであったりもする。
上下肢を使う場合
・上肢を動かし、足もキックして進む。・上肢は動かさず、足をキックして進む。
・上肢の重力きだけで進む。
(3)介助という点から
障害が重度になればなるほど、「2. 背泳ぎのまえに」で述べたような理由から、水の特性を利用して日常とは違う刺激の受けられる「水」・「プール」に入ることを勧めたい。
初めて水に入る障害児にとって、背泳ぎは導入しやすい泳ぎであることも述べた。重度の障害のある人は、一人で水に入ることや水中で立つこと、浮くことが非常に困難であるため、指導者以外に介助者が必要になってくる(指導者と介助者は、同じ人でもかまわない)。
介助者は、障害のある人が水に入る時も、入ってからも、必ずその人のそばに居て、不安感をもたせないようにする。この人となら水に入ってい

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図1 水平ホールド

る時、恐くないという関係が保てるようにすることが大切である。この関係はどの泳ぎを指導するときでも大切であるが、特に背泳ぎの場合では、水平ホールド(図1)浮きの介助をする時、介助者が障害のある人の顔、目、口元をしっかり見ることができ、言葉を交わすこともできる。このことは不安感を持たせないと同時に安全に留意することができるということである。

4. 背泳ぎ(上向き姿勢)での泳ぎ方・遊び方

背泳ぎは、一人で泳ぐことも介助してもらって泳ぐこともできる。障害の実態に合わせでいくつものパターンが考えられる泳ぎである。
特に重度の障害のある人にとって背泳ぎ「上向き姿勢での移動・上向きの姿勢」は、人を介して水中での豊かな水とのかかわりを作り出すことのできる泳ぎの一つと考えられる。
一人で上向き姿勢がとれる人は、自分の障害に合わせて手・足を動かし、どんなに時間がかかったとしても一人で浮いて進むということを経験してほしい(写真1)。
立った姿勢から頭をゆっくり後ろに倒すと足は水面に浮きあがってくる。再び立ちたければ、腰をかがめ頭を前方に突き出すと、足は下に下がり立つことができる(図2)。これをたて回転といい、障害の重度の人が水中でのバランスを保ち安全で自由に活動するために習得させたい上向き姿勢のバリエーションの一つである。

 

 

 

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